飲食店の窮状を救え!リモートBAR開業実験

飲食店の窮状を救え!リモートBAR開業実験

コロナウイルスの影響で外出自粛要請もあり、経営的に非常に厳しい状況となっている業界の一つが飲食業です。

お客さんがお店に来ないと商売にならないのだから、コロナウイルスの問題が長引くほど窮地に追い込まれてしまいます。

私の友人や知人、クライアントにも、飲食店経営者やチェーン展開している会社の経営者の方がおられ、急激に経営状態が悪化しているようで、相談件数も2月から増加しています。

特に個人で飲食店を経営している方々にとっては、唯一の収入源が絶たれてしまうので、死活問題です。

オンライン飲み会のノウハウを活かしてみよう

何とか彼らの力になれないかと考えているところに、IT関係の有志がタイミングよく声を上げました。オンライン飲み会を有料でやってみようというのです。

IT系の知人、友人達とは昔はSkypeやTwitter、今ではGoogleハングアウトやZOOMなどを介して「オンライン飲み会」を行う事はよくありました。

特にハングアウトやZOOMなどのビデオチャットは遠く離れた友人達と、お互いの顔を見て、自宅で飲みながら色々な話題で盛り上がる事ができるので、度々参加してました。週末ともなればオンライン飲み会が当たり前というライフスタイルです。

しかし、基本的に自前で酒を用意してオンラインで集合するスタイルなので、収益性はゼロです。

有料のオンライン飲み会

このオンライン飲み会を主催者に課金するスタイルを取り入れてやってみよう!そういう呼びかけでした。再現性が求められるので、誰でもすぐに出来るような仕組みでないとならないのですが、一番の問題は「課金の価値」だと思います。

いつもは気ままに集まって行っているオンライン飲み会を有料で実行するということで、参加者が集まらないのではないかという懸念もありましたが、結果として20名前後が参加意思を表明しました。とにかく実験してその成果を実際の飲食店にフィードバックできればいいじゃないかという、参加者同士の気構えが有料オンライン飲み会を実現させたのです。

基本はZOOMでビデオチャット

オンラインで行うので、会場(お店の役割)設定を行うのですが、コロナウイルスの影響下で急速に認知度と利用者が拡大していることを受けて、ZOOMでのビデオチャットがいいだろうということになりました。

ZOOMは主催者側(お店)がアカウント登録を行い、新規ミーティングを開始することで簡単にビデオチャットを開始できます。

まずアカウント登録し「ミーティングを開催する」からビデオをオンにして、オンラインビデオチャットを開催する。
「リンクを開く」をクリックするとZOOMのアプリケーションが起動してビデオチャット(オンラインBAR)を開催できる。

ZOOMの基本的な使い方はオフィシャルサイトでも説明されているので、そちらを参考にしてください。

課金はLINEやPayPayを使ってみる

主催者への課金も、誰でもすぐに再現可能な方法を使うことになり、普及率が高く個人でもすぐにオンラインで決済できるLINEとPayPayで課金することになりました。

今回私はPayPayを使って主催者に1,000円を送金しました。

PayPayのアプリを起動すると「送る」のアイコンが表示される。予め送金先のIDを知っていればすぐに送金できる。
モザイク処理してますが、ここに送金先のIDや携帯電話番号を入力して、任意の金額を送金することができます。 この機能使うと現金を所持していない場合でもその場で割り勘出来たり、まとめて支払いできたりと実に便利です。
今回は参加費用をPayPayで送金しました。LINEやPayPayは利用者も多いのですぐに取り入れることができる課金方法ですね。

実践!有料オンラインBAR

テーマは小規模な飲食店がすぐにネットを使って有料でバーチャルな店舗を営業できることですから、実験結果をフィードバックしながらその仮定としてBAR営業に置き換えて説明します。

実店舗でも使える集客ノウハウ「イベントの企画と告知」

私は過去にパブリックハウスでの飲食業経験があるのですが、実際の店舗でも集客率が向上するのは何らかのイベントが発生した時です。通常営業でも細かいイベントをルーティン化すると1日あたりの集客も向上します。

1日あたりの集客とすると、時間帯を決めて定額飲み放題にするとか、バースデー特典でお客さんを招待するなど、毎日実施できる小さなイベントはいくらでもあります。このようなイベントを細かく告知していくことで、リピートに繋がります。

例えばBARでイベントを設定するなら、お客さん同士のコミニュケーションを活性化して「オンラインコンパ」などで場を盛り上げる。あるいは店主の個性で「マジックショー」などを企画してお客さんを引きこむという具合に、誰が主体となるかでプロモーションの方向性も異なります。

いずれにしても、その場に参加したいという意識向上を図らなければなりませんから、自店の客層を分析してイベントを企画しなければなりません。

今回の実験では、東京や大阪、ニューヨークなどの拠点から参加者を募るということで、それだけでも話題が広がりそうで、十分イベントとして「課金の価値」つまり参加する側(お客さん)のメリットがあると感じました。

イベントを企画できたら、開催日程や主なイベント、参加に必要なツールやアプリの簡単な説明も加えて、参加案内を利用者の多いSNSなどで告知します。

参加費の徴収方法「LINEかPayPay」

イベントに参加したい人がSNSなどの告知情報に参加表明をしてきたら、次に行うのは参加前や参加中に課金することです。

これが今回の最大課題でもありますが、実際のところは、お金を個人間で送金する仕組みを利用することはすごく簡単ですし、参加者が可視化されるので、課金を取りこぼすようなこともありません。

今回の実験でもリアルタイムに送金することで、その場で主催者が「アキさん送金ありがとうございます。領収書は必要ですか?」という具合に、お店で料金を支払っているのと同じような感覚で送金処理もスムーズに行えました。

有料オンラインBARのメリット

ツールにZOOMを使ったことも含めて、実験しながら解ったこと、オンラインBARのメリットを上げてみます。

いつでもすぐに開業できる

お店がZOOMのアカウントを作って、お客さんを招待すればいいだけなのでパソコンかスマホがあればすぐに開業することができます。課金に使うLINEやPayPayもすでに多くの方が使ってると思いますから、お客さんは何も用意しなくても参加できる仕組みです。

初めてでもすぐに使える

今回の参加者では、ZOOMを使ったことがないという人もいましたが、SNSを併用して、主催者や他の参加者がフォローしあったり、ZOOMで会話中に機能の使い方や操作方法を共有するなど、色々な情報を共有出来るメリットが開始段階から役立っていました。

LINEやPayPayでの送金も初めて使ったという人もいて、この機能は普段使いでも便利がいいと好評でした。

どこにからでも参加できる

オンラインの最大のメリットで、特に今回はコロナウイルスで、外出が自粛される中での実験でしたがどこからでも参加できるというのが、一番のメリットと言えるでしょう。

今回も東京、大阪、京都、兵庫、ニューヨークなどに住んでいる人達が一斉に会することが出来ました。「東京は実際、どんな感じですか〜?」とか早朝のニューヨークから参加した方は、リアルな現状を言葉とカメラで伝えてくれました。

このどこからでも参加できるというのは、楽しさも倍増させます。例えば実際のお店は大阪にあっても、広範囲に呼びかけることで、今回のように世界中から参加できるので、話題にも事欠きません。

見知らぬ人が一つの場に集まって、今まで知らなかった人とも繋がる事ができるというのは、実に刺激的で楽しい体験です。

とにかくみんなで盛り上がる

今回は初めてオンライン飲み会に参加する方が多くて、全く面識のない人達もいました。私自身が3名以上でのオンライン飲み会をやったことがなかったので、どうなるのかと思っていましたが、人数が多い方が気ままに大勢で盛り上がることができるのです。

だれかが何かについて、独演しても皆が聞き手に周り、だれかが質問したり、話題を変えたり、共通の話題やテーマに移行したりというのが自然な流れでスムーズです。

直接会うと人見知りで緊張してしまい、中々交流が進まないということもありますが、画面を通じて話すので、そういう緊張感もいい意味で全くないので、すぐに打ち解けて話が盛り上がっていきます。

実際のパーティーやお店では、知らない人同士が集まると、内輪のグループに分かれてしまって、中には孤立する人もでてくると思いますが、ZOOMの画面では誰もが同じサイズで表示され、発言者がメインの画面に瞬間的に切り替わって表示されるなど、機能的な補完が自動で処理されるので、話題の中心がどこにあるのかも自然と把握することができます。

オンラインBARは小さなイベントでも成立する

今回実感してわかったのは、日頃からいろんなお客さんと接しているBARの店主であれば、その人たちとのコミニュケーション経験がある分、しきり役としては最適ですし、色々なタイプのお客さんが一同に介するオンラインBARでもお客さん同士をつなげたり、みんなと一緒にゲームをしたり、営業中にいくらでもイベント要素を取り入れて、その場を楽しく盛り上げて行くことができるということです。

実際の店舗では、決まった時間にお店を開けて、特にイベント設定がなくてもそこにお客さんが流れてきて「お酒を売る場」を提供しているわけですが、オンラインBARでは基本的にお酒は自前で準備するので、何か一つ小さくてもテーマとなるイベントを企画して呼びかけることで、お客さんに「集まる機会」を提供できるのです。

日替わりでもいくらでもテーマを決めて開催できます。例えば「未婚の女性限定」とか、「独身男子限定」など、ザックリしたテーマでよいのです。趣味を通じて呼びかけてもいいですし、先輩後輩の出会いの場、業種交流会的な場をテーマにすることだって出来ます。

また、あえてテーマを設けずに定期的に無料参加イベントなども企画できると思います。

参加者が多く集まるようなイベントでは、参加費を低く設定することで、より多くの人達が気軽に楽しむ事ができるし、興味があれば何回でもイベントに参加する常連さんも出て来るでしょう。

コロナウイルスの影響で、通常の営業形態は危機的な状況に追い込まれるかもしれませんが、新しい、コミニュケーションのと場の創出という形でオンラインBARは面白い取り組みになると思います。

人と人が直接会うことができないという、デメリットをなげくのではなくて、オンラインでどこに居ても会えるというメリットに転換し、ピンチをチャンスに変えて前を向き、やがてコロナウイルスの問題が終息した時には、みんな直接会って楽しもう!という期待感を育てていくことができるのもオンラインBARの意義だと思います。